2024年度外語祭 スペイン語劇紹介
Don Gil de las calzas verdes —緑色のズボンをはいたドン・ヒル—
第102回外語祭は本年11月20日(水)から24 日(日)まで開催されますが、その中でスペイン語劇は以下のとおり上演されます。是非、足をお運びください。
外語祭ホームページ https://gaigosai.com
上演日時:11月22日(金)15:40-16:30
会場:東京外国語大学 プロメテウスホール
題名:「Don Gil de las calzas verdes」(邦題:緑色のズボンをはいたドン・ヒル)
当イスパニア会は語劇の活動に例年金銭補助を行っており、本年も30,000円を補助いたします。11月10日の世話人会に代表の方に来ていただき、手渡しいたします。
語劇の代表である路川悠太様よりは以下の案内文をいただきましたので会員の皆様にご紹介いたします。
2024年度外語祭 スペイン語劇紹介 代表:路川悠太、副代表:近久由真
今回私たちが演じる「Don Gil de las calzas verdes」(邦題:緑色のズボンをはいたドン・ヒル)は、スペイン出身のティルソ・デ・モリーナ (Tirso de Morina)の作品です。彼はセルバンテスより少し遅れ 1579 年に生まれ、17 世紀前半に劇作家として活躍しました。スペイン黄金時代随一の作家ともたたえられています。マドリードに生まれ、アルカラ・デ・エナーレスで学び、その後は修道士として西インド諸島などで布教活動をしました。帰国後はトレドやマドリードに住み、多くの戯曲を発表しました。代表作に「El burlador de Sevilla y convidado de piedra」(邦題:セビリアの色事師と石の招客)があり、この主人公ドン・フアン像はフランス・イタリアを経て全世界に広まっていきました。史劇「La prudencia en la mujer」(邦題:女性の思慮)、そして今回の 「Don Gil de las calzas verdes」は恋愛喜劇の傑作と評価されています。
以下で今回の作品のあらすじを紹介させて頂きます。物語の主人公は、結婚直前に恋人マルティンに浮気をされたバリャドリードに暮らす貴婦人フアナです。彼女はマルティンがマドリードへ渡ったことを聞きつけ、男装をして婚約者マルティンの偽名“ドン・ヒル”を使って彼になりすまし、恋敵であるイネスに近づき復讐を試みるのですが…。実はイネスには恋人がいたり、ドン・ヒルのふりをするフアナに恋してしまうのはイネスだけではなかったり …登場人物の思惑が重なり、物語は複雑に展開します。終盤ドン・ヒルをめぐるカオスな展開には登場人物たちも混乱していきます。
このように、複数人の思惑が交差する本作品は理解が容易ではないかもしれません。ですが私たちは何度も、全ての席から見やすいステージセットか、照明や音響の詳細も確認し、手振りや台詞で展開や人物像の想像ができるよう練習と改善を行ってきました。観客の皆さんも、人物の思索に注目し心情が行き違うコメディとして見て頂けますと幸いです。
以上、作者と作品の概要についてご紹介しました。上演当日にはぜひ外大に足を運んで頂き、私たち学生の努力の成果をご覧いただければ幸いです。今回劇を作っていくにあたり、イスパニア会の皆さんを含め、沢山の方々のお力添えを賜りました。この場を借りて感謝申し上げます。